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大学院入試を振り返って。No.1

私は4年前、とある私立大学の物理学科に入学した。

 

昔からものづくりが好きで人よりもこだわるタイプな私は、その大学の理工学部パンフレットを見て「これだ!」と思い物理学科を志望したのだった。

 

実際、4年間の大学生活を終えて思うことは、自分が想像していた通りの学科ではなかったな、ということ。

 

実際、“ものづくり”というのは簡単に言うと物理を応用して研究・開発するもの。一方、物理学科の方針は“物理”という学問に対してその基礎を研究・追求するもの。

 

というイメージが最も分かりやすい。

 

当然、私が完璧には満足できなかった理由はここにある。

 

ただ別に苦痛な4年間を過ごしたのではない。

 

なぜなら、“ものづくり”をするに当たって“物理”は最も重要かつなくてはならないものだからである。

 

つまり、“ものづくり”をするための基礎を4年間で学べたということだ。

 

とはいえ、そのまま大学を卒業しただけでは“ものづくり”の知識は何もない。

 

そこで、両親の支えにも助けられながら工学系の大学院へ進学をすることを決めた。

 

 

まずはじめに、簡単に“ものづくり”と言っても、具体的にどういったことに関わりたいか?ということを自問自答した。

 

私は、高校の頃から“プラズマアクチュエータ”(プラズマによって物体の周りの流れを整流する。それにより航空機の燃費向上などが期待される。)を用いた航空機の性能向上に興味を持っていたので、プラズマや航空関係をやりたいなと思っていた。

 

その一方で、大学では物理学科の中でも赤外線天文学という宇宙関係について学んできた。

 

そこで、航空・宇宙を融合した“ものづくり”ができれば最高だと考えた。

 

 

大体方向性は決まってきたので、3年の春休み付近の期間に多くの大学で行われる“研究室公開”、いわゆるオープンキャンパスへ実際に行ってきた。

 

流体力学研究、プラズマ工学研究、宇宙機開発研究などなど多くの研究室の見学をさせてもらった。

 

正直どれも面白そうであったが、「決定的にこれだ!!」と思う研究室は見当たらなかった。

 

そんな中、ある国立大学の宇宙開発に関する講演の広告を見つけた。

 

その題目の一つに「火星飛行機」と聞き慣れない言葉があった。

 

どうやら希薄な大気のある火星の探査に、従来のようなローバーではなく飛行機を用いることで、探査の効率や範囲を向上させようというものらしい。

 

これまでの研究室見学の際とは異なり、是非この講演を見に行きたい!と思った。

 

 

そうして、この講演のためだけに飛行機のチケットを取って関西地方から東北地方へ飛んだ。

 

この講演を聞いたのちの感情は「あっ、自分がやりたいのはこれだな」だった。

 

宇宙開発に関しても興味があり、もともと航空関係の職につきたかった私にとっては、この上ない最高の研究だと、この講演で確信できた。

 

 

こうして、まず自分の受験する大学・研究室が明確になった。

 

続く…