【火星ヘリコプター】新しい惑星探査手法を切り開く大きな一歩
こんにちは、kpilglimです。
今回は宇宙の話をしましょう。
皆さん、火星には大気があることをご存知でしょうか？密度は地球の100分の1程度と希薄ではありますが、火星には大気が存在しています。
とすると、大気をうまく利用して飛行する飛行機やヘリコプターは、火星でも飛べるのでは？と想像ができます。
その初めての実証をするべく、NASAが開発した火星ヘリコプター”Ingenuity”は火星探査機”Perseverance”とともに2020年の夏に打ち上げられました。
そしてつい先日、その初飛行試験が行われたのです！今回はそんな人類初の火星ヘリコプター”Ingenuity”にフォーカスしていきましょう^^
Perseveranceの過去記事は以下にあります↓
惑星探査の意義
火星ヘリの話に入る前に「惑星探査とはなんぞや」という話から始めましょう。
まず惑星とは水-金-地-火-木-土-天-海で有名な、太陽を公転する8つの天体を言います。
では、地球以外の惑星を探査する意義は何でしょう。1つはその惑星を知るためと言えます。例えば、組成は何か、温度はいくらか、大気はあるのか、などが挙げられます。これらを知ることで太陽系がどのように誕生したか、またその未来を知ることができるでしょう。さらには、他の惑星を知ることで、地球上で今ある問題を解決することができるかもしれません。
また正直な話、惑星探査の別の意義としてロマンも挙げられるでしょう。ただし、ここでいうロマンは「ただただかっこいいから」とかではなく「人類がどこまで宇宙を知ることができるか、その限界に挑む」というイメージです。宇宙という果てしなく未知が多い問題に対して挑み続けることで、過去には想像できなかったことがどんどんと実現されていると思います。（SpaceXのロケットの第1段ブースターが地上にピタッと戻ってくるのとかは特にそう。）
従来の惑星探査
では、これまでの惑星探査ではどのような手法がとられてきたでしょう。一般的には、地面を這いつくばって進み試料採取や地表の表面観察を行うローバー、より高高度から広域の地表観察を行う人工衛星が挙げられます。
NASAによるこれまでの火星探査に関しては、ローバーだとSpirit, Opportunity, Curiosityなどが挙げられます。また人工衛星に関しても、NASAはものすごい解像度の良い画像を撮影できるものを送り込んでいます。
ただ、ローバーが辿り着けないような急峻な場所で人工衛星よりももっと近くから観測をしたいとすると、現行の方法ではなす術がありません。
この問題を地球に置き換えてみましょう。人力や車で行けず、人工衛星からも満足な情報が得られないような場所へ、どうアプローチしましょう。そこで1つ考えつくのはドローンではないでしょうか。
新しい惑星探査に向けて
地球上と同じように、火星にも大気があるのでドローン（ヘリコプターや飛行機）による探査ができないかと考えられてきていました。その初めての飛行実証を行ったのが、これから紹介する”Ingenuity”です。この実証では、探査までは考えていません。まずは密度が薄い火星大気で本当に揚力飛行することができるのかを実証することです。
Ingenuityの初飛行の結果は？
NASA JPL（ジェット推進研究所）によるこちらの動画をご覧ください！
飛んでます！すごい！
この初フライトのデータをグラフ化したものが、以下になります。横軸は時間で、縦軸が高度です。3 mほどのホバリングを見事に成功させた様子が記録されていますね。
https://www.jpl.nasa.gov/images/altimeter-chart-for-ingenuitys-first-flight
まとめ
NASAはついに、地球以外での惑星で揚力飛行を成功させました。これは火星のみならず、他の大気がある天体の探査に有効である可能性がありますので非常に楽しみです。
とかそんな難しい話以前に、遥か彼方の宇宙で人間が作ったヘリコプターが飛んでいるという事実が本当にすごいと思うkpilglimでした。それではありがとうございました^^*
